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ケーススタディー: ニコンイメージングジャパン様
 (2017年10月号掲載)

※数値等のデータは掲載当時のものです。
※文章や画像の転載・転用はご遠慮ください。

ニコンイメージングジャパン
広報宣伝部 広報課
マネジャー
萩原寛人氏

「ニコンファンミーティング」の舞台裏にフォーカス
東京・大阪で開催「特別な4日間」に
注目の『D850』体験コーナー大人気
ニコンは、創立100周年を記念し初めてとなる「ニコンファンミーティング」を東京と大阪で開催した。会場はファンの熱気に包まれ、ステージは「ニコンと宇宙事業」やニコンクイズグランプリなど多彩なコンテンツで盛り上がった。ファンミーティングでは、発表されたばかりのフルサイズデジタル一眼レフカメラ『D850』もお披露目。ニコンファンにとっての「特別な4日間」は、ニコンにとっても何ものにもかえがたい貴重な4日間となった。
大規模なファンミーティングを初めて開催しました。開催の目的や理由、どのような告知をされたのか教えてください。

ニコンは、おかげさまで2017年7月25日に創立100周年を迎えました。100周年という記念すべき年に、お客様に感謝の気持ちを伝えられる交流型のイベントができないかというところから企画がスタートしました。

当初は、限定イベントのようなものを想定していましたが、ニコンを愛する方でしたらどなたでもお越しいただけるように、予約不要、入場無料のオープンな形式を採用し、ニコン製品をご愛顧いただいている皆さまとの交流が目的ですので、イベントの内容もお客様が参加できるコンテンツを多数用意させていただきました。

また、たくさんの方に知っていただくために、広報活動は自社サイトでの告知やリリース、メールマガジンのほかに、ツイッターのニコンちゃんやフェイスブックの公式ページを使ったSNSでの発信も重視しました。その結果、東京2日間、大阪2日間の計4日間の開催で約7400人のお客様にご来場いただくことができました。

発表されたばかりのフルサイズ一眼レフカメラ『D850』がファンミーティングに登場し、大きな話題になりました。

ファンミーティングの実施時期が『D850』の発表のタイミングと重なりそうだということになり、ファンミーティングでも『D850』を取り扱う内容に変更しました。

ファンミーティングの開催を発表した7月24日の時点では、『D850』の発売時期や具体的な内容はまだ入れることができませんでしたので、ファンミーティングの告知としては2段階に分けて案内しました。8月24日の『D850』正式発表時に、ファンミーティングの中で『D850』が登場することを告知、追加情報として関連イベントを盛り込みました。

弊社では、お客様向けの新製品発表会を「Nikon Digital Live」と題して行っていますが、今回は「ファンミーティング」と謳っているので、「Nikon Digital Live」とは一線を画した形にしました。

新製品よりもファンミーティングをメインとして、個々のステージイベントや展示物においても『D850』の要素は4割とし、6割はファンミーティング的な要素――ニコンを愛してくださるすべての人とカメラと写真の楽しみを体感・共感していただけるコンテンツ――で構成しました。

具体的な『D850』関連イベントとしては、開発者プレゼンやポートレートに関するワークショップのほか、『D850』を使用したモデル撮影体験コーナーなどを用意しました。

『D850』に対するファンの反応は?

製品説明・相談カウンターでニコン製品に関する説明や相談を担当した社員からは「ファインダーが見やすい」「チルト式モニターとタッチパネルが使いやすい」「グリップも持ちやすくて疲れない」といったお声をお客様から多数いただいているとの報告を受けております。

講演やディスカッションといったステージイベントや現行機種や稀少カメラが並んだ展示など、盛りだくさんの内容でした。

自社で持っているコンテンツの中でファンミーティングにふさわしいもの、お客様が聞いてみたい内容を基準に、社内で話し合って選びました。

ステージコンテンツとして、フェローの後藤哲朗による「ニコンのスペースカメラと宇宙事業−黎明期から最新のニコン機材まで−」は、NASAにデジタル一眼レフカメラ『D5』を53台納入(8月25日発表)したことを受け、ニコンと宇宙事業の歴史を振り返るだけでなく、現在につながる話題を伝えることができ、多数のお客様に楽しく学んでいただけたと思います。

また、ステージの最後にニコンのカメラが宇宙から捉えた地球のタイムラプス(微速度撮影)映像を流すことで、よりお客様に宇宙事業とニコンとの関連を印象づけることができたのではと考えています。

様々な視点でお客様に楽しんでもらえるように気を配りました。その一つが「カメラ雑誌編集長ライブディスカッション」です。パネリストにカメラ専門誌の編集長5人、進行役を写真家にお願いして、ニコン製品やニコンとの関わりについて様々な観点で語っていただきました。

お客様には専門誌の編集長と写真家とのテンポのいい掛け合いを楽しんでいただきながら、写真家や編集者の目で見るとニコンはどう映っているのかについてお伝えすることができたと思います。

展示にも力を入れました。現行製品のオールラインナップ展示と歴代製品をはじめ、過去のアーカイブをご覧になれるカタログコーナーや、展示公開したことがない稀少カメラもご覧いただけるようにしました。またフェローの後藤の講演に合わせてNASAに納入したスペースカメラも展示し、講演だけでなく製品も楽しんでいただけるコーナーづくりを意識しました。

ファンにとって「特別な一日」だったと思いますが、社員の皆さまにとっては、どんな一日になったのでしょうか?

社員も可能な限り、会場でお客様と直接交流させていただきました。普段、お客様と接する機会のない社員にも大きな励みになりました。例えば、写真家の阿部秀之先生と「ニッコールレンズ対談」を行った開発者は「登壇後、お客様から自分の設計したレンズに対して直接お褒めの言葉をいただき、設計者冥利に尽きる思いだった」「お客様から要望をいただいたお声は次回の設計に必ず活かしたい」と話していたのが印象的でした。

また、会場出口にメッセージボードを設置したところ、叱咤激励を含め温かいお言葉をいただきました。我々の仕事において、モチベーションアップにつながるような、そんな一日になりました。

最後は全員で集合写真

10月から11月にかけて全国5都市で、「ファンミーティング キャラバン」を開催しています。最後に、今後のお客様とのコミュニケーションについて手掛けたいことなど教えてください。

東京・大阪で開催し、多くのお客様にご来場いただいたファンミーティングがコンテンツを厳選して、全国5都市(札幌、仙台、名古屋、広島、福岡)を巡ります。

実際にお客様と交流ができるイベントでは、ニコンに対する叱咤激励、応援など様々なお声を頂戴します。ファンミーティングは、ニコンを愛してくださるお客様を大切にしなければならないという当たり前の思いを再確認させてくれる貴重な機会になりました。このイベントを通して感じることができたお客様の熱量を、今後の製品やサービスに活かしていく所存です。

これからの100年も愛されるよう、ニコン製品をご存じない若いお客様にも知っていただけるようなコミュニケーションを図りたいと考えています。

<ニコンイメージングジャパン> 設立:1988年2月5日
スマートフォンで手軽に写真を楽しめる今だからこそ、「写真の楽しみや奥深さを、センサーサイズの大きな一眼レフカメラで味わっていただきたいと思います。様々なレンズを使えばバリエーション豊かな写真が撮れます」と萩原さん。「ニコンがお好きだというお客様は、写真そのものに加え、ニコン製品自体に愛着を持つ方も多くいらっしゃいます。ファンミーティングではあちこちでお客様同士が、機材の情報交換などニコン談義に花を咲かせていた様子でした。フィルムカメラの『F3』を下げていた若いお客様に、ご年配のお客様が懐かしそうに話しかける姿も見られました」と話す。