ケーススタディー: 綜合警備保障(ALSOK)様
(2012年10月号掲載)
ALSOK 広報部
広報第一課課長
藤島洋氏
ALSOK 広報部
広報第一課長兼広報第二課長 橋二郎氏
応援会や報告会にメディアを誘致
藤島: 警備会社として剣道や柔道といった武道を以前から奨励してきたことが下地としてあります。
現在、柔道部、剣道部、銃剣道部、レスリング部、陸上部があり、所属選手は40〜50人です。剣道部は全日本実業団でトップの成績を残すなどの活躍を見せています。学生柔道や全日本選手権など大会への協賛も積極的に行っています。
五輪との関わりとしては、陸上・競歩の女子選手が入社し、1996年アトランタ五輪に日本代表として出場したのが最初でした。柔道の井上康生選手や塚田真希選手などの金メダリストも選手として所属していました。
ロンドン五輪には、吉田、伊調ら7人の選手が代表として出場しました。
橋: 広報部は第一課と第二課に分かれ、大まかには第一課が広報を第二課が広告・宣伝を担当しています。
具体的には、第一課はニュースリリースの発信、取材誘致、スポーツ選手の取材対応などをしています。
第二課は、CM・広告関連、ALSOKのコーポレートブランド管理、女性社員で構成されるマーチングバンド「Vivace(ビバーチェ)」の管理などです。人数は広報部全体で11名です。
車両貼付用ステッカー
橋: 普段はスポーツ選手を積極的に広報する機会はあまり多くないのですが、五輪代表選手の場合、選手をどう露出していくかということを考えます。今回のロンドン五輪の例では、吉田、伊調両選手がALSOK体操を演じるテレビCMを企画しました。
CMの撮影時にはまだ代表に決定していませんでしたが、体操とオリンピックはイメージ的に近いし、決定した際には話題になると考え制作しました。
また、オリンピック代表に決まった時の露出対策として、当社の現金輸送車などに貼る広告ステッカーを作成しました。
インナー対策としては社員向けに五輪代表選手7名の顔写真を入れた切手シートを作成し販売しました。また、お客様向けにはノベルティとして、代表選手の顔写真入りの記念ボトルでワインと日本酒を用意しました。
これらの準備は五輪開催の半年前くらいから始めました。ただ、代表選手が全員確定したのは6月だったので、様々なパターンを想定しながらの作業になりました。
橋: 弊社はオリンピックの公式スポンサーになっていないため、開催前後1カ月くらいの期間は選手の肖像を露出できません。そのため、その期間はALSOK体操のCMは差し替えざるを得ませんでした。
一番良い時期に自分たちから発信できないことは非常に残念でしたし、五輪期間を除いて露出を考えなければいけないことが難しかったです。
吉田選手応援会
藤島: 吉田、伊調の3連覇がかかった試合をライブ中継で観戦する社内応援会を2日間連続で開催しました。決勝は初日が午前4時、2日目が午前3時でしたが、社長は2日間出席、社員も100〜150人が集まりました。金メダルに近づくにつれ歓声が大きくなり非常に盛り上がりました。
お付き合いのあるテレビ・新聞・雑誌30〜40社に案内を出し、テレビを中心に多い時で60人くらいの取材が入りました。広報はこの2日間、夜は取材対応、昼は試合後のリリース準備などに追われ、とても忙しかったです。
帰国報告会の時も70〜80人の取材が入りました。芸能雑誌、ワイドショーなど普段お付き合いのないメディアの方も多かったです。
吉田、伊調選手の帰国会見の様子
藤島: ウェブなどは五輪期間中のPVが通常時の5倍くらいになったり、Facebookページの「いいね」が数千になったり、資料請求数が増加するなど、選手たちの活躍に伴って当社への注目度が増しました。
取材依頼に関しては数十倍になり、残念ながらすべてに対応することができないような状況です。
橋: 五輪3連覇だけでも特別だったのですが、9月には吉田選手が世界大会13連覇(五輪3連覇+世界選手権10連覇)を達成し、ギネスブックに登録されました。
国民栄誉賞も頂けることになり、五輪の余韻がまだ続いているような感じです。
藤島: 吉田選手や伊調選手が所属している会社ということで、五輪で相当注目されるようになりましたが、ALSOKがどういう会社なのか、どういうサービスを行っているのか、まだ知らない方も多いと思います。
注目を浴びている時期なので、これを機に当社のことをより知ってもらえるように、今後もできるだけ露出を増やしていきたいと考えています。