早朝新聞クリッピング 広報効果測定・報道分析

(社)日本パブリックリレーションズ協会加盟

株式会社デスクワン お問い合わせ

ケーススタディー: 京王電鉄様(2011年10月号掲載)

※数値等のデータは掲載当時のものです。

京王電鉄
広報部 企画宣伝担当
蒲 友香里氏

京王電鉄の「京王マナー川柳」
川柳を通じてマナー向上を呼びかけ
2011年夏は約3000句の応募
京王電鉄は、ポスターや放送などを通じてマナーについての呼びかけを行ってきた。1998年からは、さらにお客様にマナー向上への関心を持ってもらおうと、マナー川柳とイラストによる啓蒙活動を始めた。2001年から一般公募を開始、昨年までに計47回の募集を実施した。利用者と共に乗車マナーを考えていく活動として、毎回、話題を集めている。
マナー川柳とはどのような活動ですか。

10周年特別企画 最優秀作品
学生の部

弊社では、駅貼りポスターや車内中吊りポスター、駅構内・車内放送などによって、マナーについて呼びかけを行っています。より多くのお客様が電車やバスを快適にご利用いただけるよう、1998年11月からは、京王線・井の頭線といった電車やバス車内をはじめ、駅構内におけるマナー啓蒙を目的として、漫画家・やくみつるさんのイラストを用いたマナー川柳のポスターを展開し始めました。

開始当初は、プロのコピーライターが川柳を考えていましたが、お客様にさらに関心を持っていただき、マナー向上の推進を図るため、2001年10月から川柳を一般公募することにしました。

マナー川柳は、日々ご利用いただいている電車・バスをより快適にご利用いただけるための、マナー向上呼びかけの方法のひとつとして、1.マナー啓蒙が押しつけにならないように 2.嫌みに感じられないように 3.興味を持っていただけるように との観点に立ち、お客様と弊社が一緒にマナーを考えていく活動と捉えています。

どのような体制で行っているのですか。

マナー川柳の担当者は、広報部の2名が主体となっていますが、作品の審査は第3次審査まであるので、広報部だけでなく鉄道部門や役員などが関わっています。

募集は2010年度より年2回行っています。以前は年4回行っていましたが、回を重ねるごとに似たような表現が出てくることもあり、現在は夏と冬の年2回の募集となっています。募集期間は8〜9月中旬(夏)と1月(冬)、その後約2カ月かけて選定し、半年後に発表と次回の告知を行います。

募集及び作品の発表は、駅貼りポスターや車内中吊り、弊社広報誌である『京王ニュース』やホームページに掲載しています。

「電車・バス マナー川柳 東西戦」とは?

西 阪急電鉄側作品 横綱

東 京王電鉄側作品 横綱

2009年に、「マナー川柳」へのさらなる認知度・関心度の向上を図り、より一層のマナー向上につなげるため、阪急電鉄とタイアップし、特別企画として「電車・バス マナー川柳 東西戦」を実施しました。

両社で川柳を募集し、上位作品について東(京王)と西(阪急)の「横綱」「大関」「関脇」を決める番付を行うというもので、横綱作品(東・西)については、やくみつるさんにイラストを作成いただき、ポスター等で発表しました。

10年間でどのような変化がありましたか。

10周年特別企画 最優秀作品
一般の部

2010年に公募開始から10周年を迎え、小学校や中学校の授業・宿題に取りあげていただく機会もあるようなので、特別企画として学生の部(対象:高校・中学・小学生)を設置しました。一般の部2334句、学生の部1175句が集まり、大きな反響がありました。

学生の部の募集は、夏休みに学生の方にもマナーについて考えていただけるように、2011年度も引き続き行っています。2011年夏は、一般の部1592句、学生の部1472句、計3064句の応募がありました。

10年以上という長い期間続けてこられたのは、お客様のマナーに対する意識が高いことや、普段から気になることが一般公募の川柳という親しみやすい方法で紹介されることが大きな要因かと思います。また、お客様へのマナー啓蒙だけではなく、お客様と共に、利用する立場に立ってマナーを考えていくという取り組みが、広報活動としても認知されてきているのではないでしょうか。

<京王電鉄株式会社> 創業:1948年6月 資本金:590億2,300万円
「広報部はグループでの広報業務を総括している部署で、沿線を中心とした事業やグループの紹介などを主に行っています。パブリシティや社内報・グループ報を担当している広報担当と、イベントや宣伝告知物を発行している企画宣伝担当の総勢21名で構成しています」と蒲さん。